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思いついたままをだらだら綴るひとりごとです。
漫画を読んでいたら、欄外のスペースに、「いた仕方なし」と書いてありました。
前後の文脈から、「しょうがない」「どうしようもない」というような意味で使われてるのはわかるんですが、「致し方なし」なんじゃないの?という疑問が......
で、また調べました。
福武国語辞典
「いたしかたなし」については項目がありません。
「いたしかた」については、「致し方」という漢字が出てます。さらに、「しかた」の謙譲語。する方法。という説明があり、「いたしかたがない」イコールどうしようもない、と書かれてます。
岩波国語辞典
こちらも「いたしかたなし」は項目なし。
「いたしかた」は、「致し方」で、「しかた」「しよう」のへりくだった言い方、となっています。
新明解国語辞典
こちらも「いたしかたなし」は項目なし。
「いたしかた」は「致し方」で、「しかた」の、やや改まった言い方。「いたしかたございません」という用例が出ています。
やっぱり、「いたしかたなし」は「致し方なし」で、「いた仕方なし」ではないようです。
「いたし」というのは「いたす」の活用形で、「いたす」というのは「する」の改まった言い方。
「かた」は「方」で、方法のこと。
だから、「いたしかたなし」だと「する方法がない」ということで、「どうしようもない」ってことですね。
でも、意味だけ考えると、「いた」の部分はとりあえず無視するとして、「仕方なし」っていう部分は「どうしようもない」ってことですよね。だから、間違いだけど、そんなにヘンでもないかも。
では、「いた」はどうするのか......
古語に「いと」という言葉があって、強調するときに使います。英語の"very"にあたるような言葉です。
きっと、この漫画家さんは、「いたしかたなし」の「いた」は「いと」で、「ものすごくどうしようもない」状態のことを「いたしかたなし」と表現する、と考えたのではないでしょうか。
古い言い回しだと、現代とは動詞の活用とか、漢字の読みが少しだけ違ってることはよくあるので、そういうものだと思ったのかも。
でもやっぱり、漢字についてはっきりしない部分や不安な部分は、ひらがなにしておくのが無難だな~、と思います。印刷物なんかは特に。
漫画って、書いてから印刷されるまでの間に、何人かが内容チェックなんかをしてると思うんですが、誰も気づかなかったのかな。
致す方法がない、そんなコトですよね。
書いてから印刷するまで、なのですが、印刷では元原稿がそうなっていたら、そのまま通します。
出版社がそのように意図して造語している場合がありますから。
(チェックして戻したら、逆に出版日を遅らせるとして怒られます)
そんなわけで、漫画家とその契約出版社との間でOKとして通ったものは、そのまま出版されちゃいます。
印刷会社では、文字チェックはあっても、内容チェックすることはありません。
印刷会社勤務の私であります(^^;
2008/09/14(日)19:55| URL | 蛟(Mizuti) #lBsHxBAM [ 編集]
なるほど、印刷に回された段階以降は、内容チェックはないんですね。
ただ、漫画の場合、たぶんその漫画家さん担当の編集者がいて、その方が内容チェックしてるのでは?と思ったのです。
2008/09/14(日)20:33| URL | Initial R #- [ 編集]
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Author:Initial R
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